日本医科大学皮膚科学教室において, 過去4年間 (1996年7月~2000年5月) に確定診断に至ったアナフィラクトイド紫斑は全例で40例あった。これらを, 20歳未満の若年者, 20歳~59歳の成人・中年者, 60歳以上の高齢者と年齢別に分類し, 特に20歳以上, 成人・中年者及び高齢者の症例の臨床所見について検討した。腹痛は若年者2/7例, 成人・中年者5/18例, 高齢者3/15例とほぼ同じ割合であったが, 関節痛は若年者4/7例, 成人・中年者11/18例に対して, 高齢者4/15例と少なかった。成人・中年者及び高齢者では, 先行する上気道感染のエピソードが無いことが多く (9/18例), 合併症として, 外科手術後約1カ月前後に発症するものがあり, 成人・中年者 (4/18例) と高齢者 (4/15例) に多く, 特徴的と考えた。また, 血尿や蛋白尿を伴うことが, 若年者 (0/7例) より, 成人中年者 (血尿2/16例, 蛋白尿2/16例), 高齢者 (血尿6/13例, 蛋白尿5/13例) では多かったが, 様々な既往症のために正確な評価が難しいケースが多かったため, 若年者よりも慎重な対応が必要と考えられた。
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