2005 年 67 巻 3 号 p. 247-251
成人型アトピー性皮膚炎の難治性顔面紅斑を有する患者25例に対してタクロリムス軟膏で2週間の治療後,トシル酸スプラタストを併用した患者15例とタクロリムス軟膏単独で継続治療した10例に分けて,治療開始から10週までのトシル酸スプラタストの付加効果を検討した。その結果,全般改善度や皮疹の程度の改善効果に群間の差は認められなかった。しかし,タクロリムス軟膏の使用量はトシル酸スプラタスト併用群において有意な減少を認め(5.5g/週→ 1.2g/週),さらにタクロリムス軟膏の中止率は単独治療群が0%であったのに対し,トシル酸スプラタスト併用群では33.3%とタクロリムス軟膏の減量効果が認められた。