抄録
尋常性乾癬患者を無作為割りつけにより,カルシポトリオール(平日)・吉草酸ジフルコルトロン軟膏外用(土日)を朝夕2回塗布する連続療法群(1群)と吉草酸ジフルコルトロン軟膏を朝夕2回,単独外用療法群(2群)に分け,治療効果,患者コンプライアンスについて6週間比較した。症例数は1群24例,2群20例であり,両群で患者背景に差はみられなかった。平均PASIスコアは1群では開始日18.4から6週後6.9へ,2群も16.0から6.9へ各々有意に低下した。6週後のPASIスコア低下率は1群62.3%に対し,2群は55.6%であったが,両群間のPASIスコアおよび低下率に有意差はみられなかった。最終全般改善度で著明改善と中等度改善を併せた症例は1群20例(90.9%),2群13例(63.4%)であったが,両群間で有意差はなかった。副作用,塗布中止例も両群ともになく,1群での血清カルシウム値の異常もなかった。患者アンケートによる外用治療についてのコンプライアンスおよび治療満足度は両群間で有意差はみられなかった。以上より,カルシポトリオール(平日)・吉草酸ジフルコルトロン軟膏外用(土日)連続療法は,外用コンプライアンスを落とすことなく,従来のステロイド単独療法と同程度以上の有用性が高い治療法であることが明らかとなった。