2007 年 69 巻 5 号 p. 496-500
33歳の女性。入院の1週間前より,咽頭痛と高熱が続き,発熱4日目に皮疹を生じた。顔面と四肢を中心に,圧痛を伴い強い浸潤を触れる紅斑が多発し,中央に膿疱や水疱を伴っていた。血液検査では,好中球の増加とCRPの上昇,血沈の亢進を認めた。皮疹の病理組織像では,真皮全層にわたって,核塵を伴った好中球の稠密な浸潤を認め,Sweet病に合致する所見であった。プレドニゾロンの投与で,臨床症状は速やかに改善した。患者は,3年前にSjögren症候群の診断をうけており,その後7年にわたって,同様の発作を反復している。Sweet病を併発したSjögren症候群の報告例をまとめ,その特徴を考察した。