西日本皮膚科
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症例
中足骨レベルでの足切断に至ったCutaneous Polyarteritis Nodosaの1例
植木 さやか富村 沙織三根 義和小川 文秀佐藤 伸一江石 久美子
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2008 年 70 巻 1 号 p. 19-22

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抄録

66歳の女性。初診の30年前より下腿の小潰瘍が出現し,軽快と再燃を繰り返していた。初診の20日前より難治性の下腿潰瘍が多発したため,当科を受診した。皮膚生検にて小~中血管の壊死性血管炎を認めたが,ANCAは陰性であり,全身精査の結果,内臓病変は認めなかったため皮膚型結節性多発動脈炎(cutanous polyarteritis nodosa; CPN)と診断した。プレドニゾロン内服と保存的治療にて下腿潰瘍は軽快した。しかし左足は治療前の血行障害で下肢末梢動脈の閉塞を来しており,足先部は壊疽となり,切断するに至った。予後良好なCPNといえども足切断に至るほどの激しい血行障害を来しうるため,早期診断·早期治療の重要性を再認識する1例であった。

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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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