47歳,男性。約8年前から右肩関節痛があった。6ヵ月前から右腋窩に発赤腫脹を生じたため,当科を受診した。病理組織学的には皮膚腺病を疑う所見であったが,細菌,真菌培養,小川培地による抗酸菌培養を行ったがいずれも陰性であり,1回目の皮膚病変組織のPCRでも陰性であった。しかし液体培地で菌陽性所見がみられ,小川培地に継代して得られたコロニーからのPCR法でMycobacterium tuberculosisが同定されて,皮膚腺病と診断し得た。結核性肩関節炎に続発して腋窩に病変がみられた皮膚腺病は極めて稀であるため報告した。