西日本皮膚科
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症例
皮膚転移により発見された前立腺癌の1例
盛山 恵理渋井 沙弥香今井 健岡田 洋平鎌田 成芳
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2008 年 70 巻 6 号 p. 618-620

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抄録
66歳,男性。前胸部左側の腫瘤を主訴に来院した。30×25mmの紅色調のドーム状に隆起する腫瘤を認めた。臨床像より転移性皮膚腫瘍などを疑い,腫瘍摘出術を施行した。病理組織学的に腺癌と診断され,免疫組織化学的にprostate specific antigen(PSA)染色陽性であった。前立腺針生検を施行し腺癌を認めた。全身検索にて前立腺癌T3N1M1(皮膚転移,縦隔リンパ節転移)と診断した。抗アンドロゲン剤の内服とLH-RHアナログ剤の注射による内分泌療法,maximum androgen blockade(MAB)療法にて経過を観察中である。皮膚転移巣より前立腺癌が発見された転移性皮膚癌の本邦報告例は,われわれの調べ得た限り自験例を含めて13例と稀であった。
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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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