西日本皮膚科
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福岡大学病院における褥瘡患者の転帰と褥瘡の重症度の関係について
今福 信一古賀 文二中山 樹一郎牧野 太郎西平 智和小坂 正明上野 雅代古賀 亜矢子小佐々 昭子
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2010 年 72 巻 3 号 p. 235-239

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抄録

褥瘡診療において全身状態の悪化とともに褥瘡が発生・悪化するのはしばしば経験されることである。逆に創は改善しているのに全身状態が悪化し死に至る例にも遭遇する。褥瘡の状態と患者の転帰に因果関係があるかについて福岡大学病院で2008年3月から2009年8月までに診療した入院中の褥瘡患者92例について検討した。褥瘡の重症度評価はDESIGN-Rを用いた。背景疾患では循環器疾患が24%,悪性新生物が23%,神経系疾患が21%と多く,この三者で68%を占めた。転帰では49%が治癒,34%が治癒しないまま退院,17%が治癒しないまま死亡していた。褥瘡の重症度と原疾患,年齢,転帰を比較したところ,いずれの原疾患,年齢,転帰においても初診時のDESIGN-R値に有意差はみられなかった。非治癒死亡例において初診日と最終診察日のDESIGN-R総和に有意差は認められなかった。以上の観察から当院の疾患群においては初診時の褥瘡の重症度は患者の転帰を予測する要因と成らず,またその推移は患者の生命予後と関係しない可能性が考えられた。

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© 2010 日本皮膚科学会西部支部
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