西日本皮膚科
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症例
Folliculotropic Mycosis Fungoidesの1例
石川 真奈美藤山 幹子村上 信司橋本 公二町野 博
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2010 年 72 巻 5 号 p. 462-466

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抄録

症例は66歳,女性。1995年,前額部を虫に刺された後,そう痒を伴う紅色局面が出現し,右側頚部に丘疹も出現してきたため,1997年7月に当科を紹介受診した。前額部中央に3×2cmの扁平隆起性の紅色局面があり,項部,背部には丘疹が集簇した局面を認めた。前額部の紅色局面から生検を施行し,毛包性ムチン沈着症と診断。プロピオン酸クロベタゾール外用にて皮疹は軽快したため,近医で経過観察としていた。2007年10月,自己免疫性肝炎の疑いで当院内科に入院し,当科を再受診した。頬部,下顎部,頚部に暗赤紫色局面を認めた。下顎部の局面からの皮膚生検にて,表皮に変化なく,毛包,毛包間真皮に大型で核のくびれのある細胞のシート状の増殖と,毛包の破壊像を認め,最終的に一連の経過を含めてfolliculotropicmycosis fungoidesと診断した。

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© 2010 日本皮膚科学会西部支部
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