西日本皮膚科
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治療
尋常性ざ瘡患者を対象とした低刺激性スキンケア化粧品NAVISION®(ナビジョン®)の使用試験
根本 治嵯峨 賢次川村 邦子浅沼 廣幸小野塚 貴森川 玲子安田 秀美古賀 文二高田 洋子山崎 貞男鈴木 裕美子川島 眞
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2010 年 72 巻 5 号 p. 520-530

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抄録

軽症から中等症の尋常性ざ瘡患者48例を対象に,低刺激性スキンケア化粧品NAVISION®(ナビジョン®)のクレンジングフォーム,TAローション(R),TAエッセンス,ラッピングバームの使用試験を実施し,その安全性を検討した。全例が尋常性ざ瘡の治療としてアダパレンを使用しており,その外用療法に伴う皮膚乾燥等の症状が21例に認められた。また試験試料との因果関係が否定できない副作用が7例に認められたものの,軽度な刺激感とそう痒感のみであった。全例において,尋常性ざ瘡の治療経過に明らかな悪影響を及ぼすことなく,6週間安全に本スキンケア化粧品を使用することができた。また,試験開始時に比較して試験終了時において乾燥や落屑等の皮膚症状の改善が認められ,試験試料の併用効果と考えられた。以上より,低刺激性スキンケア化粧品NAVISION®(ナビジョン®)は,近年本邦においても尋常性ざ瘡治療の第一選択外用薬となりつつあるアダパレンを用いた治療中においても,安全に使用できることが確認された。

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© 2010 日本皮膚科学会西部支部
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