西日本皮膚科
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症例
Blaschko線に沿って生じた脱色素斑に合併した脂腺母斑と考えられた1例
中島 圭子吉田 雄一山元 修
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2011 年 73 巻 5 号 p. 486-488

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抄録

36歳,男性。生下時より,右腹部に脱色素斑を認めていた。18歳の頃より脱色素斑が拡大し,右腹部を中心にBlaschko線に沿って帯状に分布するようになったため,当科を受診した。脱色素斑上には毛孔一致性丘疹がみられた。脱色素斑を含めた丘疹部の病理組織学的所見では,表皮基底層の一部でメラニン色素の減少がみられた。真皮では成熟した脂腺,アポクリン腺の増生がみられた。液状変性はなく,真皮上層に組織学的色素失調はみられなかった。以上の所見より脱色素斑に合併した脂腺母斑と診断した。過去に先天性の脱色素斑に脂腺母斑が合併した例やBlaschko線に沿ってみられる脂腺母斑の報告はなく,自験例は特異な臨床像を呈した症例と考えられた。

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