西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
Bullous Amyloidosis の 1 例
難波 千佳宮脇 さおり村上 信司橋本 公二佐山 浩二城徳 昌典檜垣 實男宮崎 龍彦星井 嘉信杉浦 啓介
著者情報
ジャーナル 認証あり

2012 年 74 巻 4 号 p. 387-390

詳細
抄録

92歳,男性。初診の1ヵ月程前より,前腕,背部にそう痒を伴う紅斑,水疱,びらんを認めた。組織学的所見では,表皮下水疱を認め,真皮血管周囲を中心にリンパ球,好酸球の浸潤を認めた。蛍光抗体直接法は陰性であり,水疱症の各種自己抗体も陰性であった。ネフローゼ症候群を認めたことから,腎生検を施行した所,腎アミロイドーシスであった。Direct fast scarlet 染色では,水疱底の真皮上層に軽度のアミロイドの沈着を認め,免疫組織学的には,λ 鎖陽性,κ 鎖陰性,トランスサイレチン陰性,AA アミロイド陰性であり,Aλ 型アミロイドーシスと診断した。骨髄穿刺は施行できず,血清 M 蛋白,尿中 Bence-Jones 蛋白は陰性であった。ステロイド外用,抗ヒスタミン剤内服で加療するも難治で,腎不全で永眠した。水疱形成が主体であり,そう痒が顕著であった点が本症例の特徴であった。

著者関連情報
© 2012 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top