西日本皮膚科
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症例
先天性下大静脈狭窄症による若年発症下肢深部静脈血栓症に伴った下腿潰瘍の 1 例
石上 剛史古北 一泰村尾 和俊久保 宜明
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2013 年 75 巻 4 号 p. 301-303

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抄録

50 歳,男性。14 歳時,左下肢深部静脈血栓症を発症しワルファリンカリウム内服を開始したが,その後自己判断で中止していた。19 歳頃から左下腿に浮腫と潰瘍を生じ,複数の医療機関で治療を受けたが改善しなかった。45 歳時に左下腿潰瘍が悪化し,この時は下肢の安静挙上のみで潰瘍は改善したが,この頃より左下肢の静脈瘤および左胸部から腹壁にかけての表在静脈の怒張,蛇行が目立ってきた。また同時期に右下肢深部静脈血栓症を併発したためワルファリンカリウム内服を再開した。50 歳時,左下腿潰瘍が再燃したが,その時の精査で下大静脈が先天的に著しく狭窄していることが明らかになり,深部静脈血栓症とその後の下腿潰瘍の発症に深く関与していると考えられた。

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© 2013 日本皮膚科学会西部支部
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