西日本皮膚科
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症例
背部の多発性局面として発症した類器官母斑
根本 利恵子楢原 進一郎瀬戸山 充
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2014 年 76 巻 1 号 p. 23-26

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抄録

生後 1 カ 月の女児。出生時より背部正中から右側にかけ皮膚面よりやや隆起,多発,融合する大小の局面形成を認めた。局面は全体的に淡黄色調を示し表面は顆粒状を呈していた。病理組織学的に病変は軽度の乳頭腫症を伴う未熟な毛包,脂腺の増生を認め,類器官母斑と診断した。分布パターンは Happle のモザイク分布パターンのうちIII型 (葉状型) を示しているものと考えた。自験例は現在のところ皮膚症状以外には中枢神経症状や骨格系などの異常を認めないが,特徴的な分布を示していることより脂腺母斑症候群を念頭において,注意深く経過観察していく必要があると思われた。

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© 2014 日本皮膚科学会西部支部
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