2015 年 77 巻 1 号 p. 14-19
49 歳,女性。7,8 年前より頭部,腋窩や鼠径部などの屈側部に皮疹を認めており,近医にて加療されていたが難治であった。来院半年前に全身性エリテマトーデスと診断され,当院内科に定期通院していた。1 カ月前より皮疹の増悪傾向を認めたために当科を初診した。初診時頭髪部や耳介・外耳道部,腋窩部,鼠径部を中心に体幹四肢に,5 mm から拇指頭大の紅暈を伴った小膿疱の集簇を認めた。臨床像や病理組織検査などの検査所見より,amicrobial pustulosis associated with autoimmune disease が考えられた。診断的治療も兼ねてシメチジン・アスコルビン酸併用療法を開始したところ軽快が得られた。臨床像が好発部位を越えて広がっていたこと,シメチジン・アスコルビン酸内服で改善が得られたという点で,本例は貴重な症例であったと考える。