西日本皮膚科
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症例
乳癌放射線治療後の腋窩に生じた基底細胞癌の1 例
梅原 かおり永井 伸幸中野 純二
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2017 年 79 巻 2 号 p. 150-152

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抄録

71 歳,女性。約 40 年前に左乳癌に対し,乳房切除術後に放射線療法を受けた。初診の 2∼3 年前より,左腋窩に腫瘤が出現し,徐々に増大した。初診時,左腋窩内側に 20×8 mm の辺縁不整の黒褐色腫瘤を認めた。腫瘤周囲の皮膚には萎縮や色素脱失や沈着は認められなかった。ダーモスコピー所見,および病理組織学的所見より基底細胞癌と診断した。放射線治療後に生じる悪性腫瘍として,近年,基底細胞癌の報告が増加している。非露光部の基底細胞癌を認めた場合,過去の放射線療法の有無を確認し,他に照射部位がないかを確かめる必要がある。

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© 2017 日本皮膚科学会西部支部
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