西日本皮膚科
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症例
免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)が著効した Hallopeau 型増殖性天疱瘡の 1 例
屋宜 宣武山口 さやか高橋 健造
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2017 年 79 巻 6 号 p. 552-557

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抄録

83 歳,女性。1 カ月前より外陰部の疼痛があり近医を受診した。悪性腫瘍を疑われ当科を紹介され受診した。初診時は外陰部全体に疣状局面があり,経過中に腋窩や口唇のびらん,舌の肥厚が出現した。病理検査では肥厚した表皮内に水疱が形成され,水疱内には好酸球が多数みられた。蛍光抗体直接法では表皮細胞間に IgG が沈着していた。血清抗デスモグレイン 1,3 抗体がいずれも陽性だった。臨床所見と病理所見,血清学的所見を併せて,本症例を増殖性天疱瘡と診断した。ステロイド内服のみでは皮疹のコントロールができず,免疫グロブリン大量静注療法を併用することで症状は劇的に改善した。

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© 2017 日本皮膚科学会西部支部
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