2019 年 81 巻 2 号 p. 85-86
症例:73 歳,女性
主訴:両耳後部の皮疹
現病歴:5 年前より両耳後部の自覚症状を伴わない皮疹があるのに気付いていた。
初診時臨床所見:両耳後部に限局して境界明瞭な局面が左右ほぼ対称にみられた。局面内には 1∼2 mm の灰色から白色の丘疹が密に集簇していた(図1 a,b)。ダーモスコピー所見で白色真珠様の構造物がみられ,角質の排出像と周囲に血管拡張が認められた(図2 a,b)。
病理組織学的所見:真皮内に正常表皮と同じ構造からなる壁を有する囊腫を認め,囊腫内腔には層状の角質物質を認めた。囊腫壁周囲に軽度炎症性細胞浸潤を認めた(図3 a,b)。
診断,治療および経過:病理組織学的所見と特徴的な臨床像を併せて milia en plaque と診断した。外科的治療の希望はなかったためアダパレン外用にて経過観察中である。