西日本皮膚科
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症例
右大腿部に生じた Mucinous Carcinoma of the Skin の 1 例
田中 絵理子永瀬 浩一岩永 知未井上 卓也成澤 寛
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2019 年 81 巻 6 号 p. 496-499

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抄録

77 歳,女性。発症時期不明の右大腿結節を主訴に受診した。初診時,同部に径 1 cm のドーム状に隆起し,皮下との可動性は良好な暗赤色から青色調の皮内結節を認め,類表皮囊腫を疑い全摘生検を行った。病理組織検査では真皮から皮下組織にかけて線維性隔壁で隔てられた粘液様物質中に腫瘍細胞を認め,粘液様物質はアルシアンブルー pH2.5 と PAS 染色に陽性を示した。免疫組織化学染色では腫瘍細胞は CK7 陽性,CK20 は一部陽性,GCDFP15 陽性であった。全身検索にて他臓器の悪性腫瘍は認めなかったことから,mucinous carcinoma of the skin(MCS)と診断した。MCS は頭頚部に好発し,下肢に生じることは稀である。比較的稀な疾患ではあるが,鑑別診断として念頭に置く必要がある。

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© 2019 日本皮膚科学会西部支部
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