西日本皮膚科
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症例
異なる感作抗原で発症したと考えられたモモアレルギーの 2 例
飛田 礼子千貫 祐子大藤 聡鈴木 久美子森田 栄伸
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ジャーナル 認証あり

2020 年 82 巻 3 号 p. 164-167

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抄録

症例 1:60 代の女性。春に鼻汁があり,マスクをすることがあった。初診の 1 年前からモモを摂取した時に咽頭違和感を覚えるようになった。初診の 10 日前にモモを一切れ摂取したところ,30 分後に眼瞼浮腫,呼吸苦,鼻汁,咳嗽が生じて治療された。ハンノキ特異的 IgE が陽性で,アレルゲンコンポーネントを用いた血液検査では Pru p 1 特異的 IgE が陽性であり,ハンノキ花粉症に交差反応したモモアレルギーと診断した。症例 2:40 代の女性。約 5 年前から鼻炎症状を自覚していた。同時期より,モモを摂取した際に咽頭違和感が生じるようになった。初診の 10 日前にリンゴ,ハチミツ入りの豆乳を摂取し,その後雪かきをしたところ,顔面,両手にそう痒を伴う発赤腫脹が生じた。ハンノキ特異的 IgE は陰性で,アレルゲンコンポーネントを用いた血液検査では Pru p 1,Pru p 2,Pru p 3 特異的 IgE が陰性,Pru p 7 特異的 IgE が陽性であり,症例 1 とは異なる感作抗原と考えられた。

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© 2020 日本皮膚科学会西部支部
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