西日本皮膚科
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症例
クリンダマイシン塩酸塩カプセルによる全身性接触皮膚炎の 1 例
松田 亜依佐藤 絵美石橋 侑花今福 信一
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ジャーナル 認証あり

2021 年 83 巻 5 号 p. 406-410

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抄録

25 歳,女性。中耳炎の治療のためクリンダマイシン塩酸塩カプセル(ダラシン®カプセル)が処方された。内服翌日より躯幹四肢に紅色丘疹が出現し急速に拡大したため近医で薬疹が疑われた。10 代の頃に痤瘡の治療でクリンダマイシン含有ゲル(ダラシン®T ゲル)が処方され,顔全体に発赤および丘疹が出現した既往がある。全身性接触皮膚炎が疑われ治療後にパッチテストを施行したところ,クリンダマイシン含有ゲルおよびクリンダマイシン塩酸塩カプセル双方に陽性所見を示した。同時に施行したクリンダマイシン塩酸塩の DLST は陰性であった。以上よりクリンダマイシンが起因した全身性接触皮膚炎と診断した。

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