西日本皮膚科
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症例
若年者の両耳に多発した Chondrodermatitis Nodularis Chronica Helicis の 1 例
橋本 明子西島 君耶白井 礼子井上 卓也杉田 和成
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2024 年 86 巻 6 号 p. 585-589

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抄録

25 歳,男性。初診の約 1 年前より左対耳輪に小結節を自覚し,スマートフォンが当たると疼痛を伴うようになったため,当科を受診した。初診時,右対耳輪に 2 カ所,左対耳輪に 4 カ所,左耳輪に 1 カ所 4 mm の常色で硬い結節を認め,いずれも圧痛を伴っていた。結節部の病理組織学的所見で,真皮内の結節の中央部に膠原線維の変性とフィブリノイド壊死,その周囲に組織球とリンパ球を中心とした炎症細胞浸潤と毛細血管の拡張と増生を認め,chondrodermatitis nodularis chronica helicis と診断した。近年,若年発症者の中にはスマートフォンの使用が発症に関与しているという報告例もある。若年発症は非常に珍しく,発症の原因を含め文献的考察をふまえ報告する。

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