整形外科と災害外科
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温熱化学放射線療法が奏功したsarcomaの2例
横内 雅博有島 善也山崎 康平河村 一郎小宮 節郎
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2006 年 55 巻 3 号 p. 393-396

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抄録

我々の施設では2005年より,軟部肉腫に対し温熱療法を併用した化学放射線療法(以下RHC)を取り入れ治療を行っている.今回RHCが奏効したsarcomaの2例を経験したので報告する.症例1:53歳男性,左鼡径部粘液型脂肪肉腫.平成13年より二度の手術を施行されるも局所再発し当科入院.腫瘍は神経血管束に接して進展していたが,術前RHCを施行した後に神経血管を温存した腫瘍辺縁切除術を施行した.摘出病理標本にて壊死率100%であった.症例2:28歳女性,右大腿部PNET.当院内科でPBSCTを併用した化学療法を施行された後に,局所コントロール目的に当科入院.化学療法により腫瘍は著明に縮小していたが,依然神経血管束を巻き込んでいたため当科にてRHC施行.腫瘍の著明な縮小を認め神経血管を温存した腫瘍辺縁切除を施行した.摘出病理標本にて壊死率100%であった.若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2006 西日本整形・災害外科学会
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