2006 年 55 巻 4 号 p. 451-454
MIPO法を用いて大腿骨骨折および大腿骨の骨延長術後に対して手術治療を行ったので報告した.
症例は4例で,全例女性,手術時年齢は平均64.5歳であった.症例の内訳は転子下~骨幹部骨折1例,遠位部骨折2例(1例はTKA後),骨延長術後1例であった.
転子下~骨幹部骨折の症例に対してはDynamic condylar screw(DCS)を,その他の症例に対してはLCPを用いて固定を行った.
遠位部骨折の1例において骨癒合の遷延を認めていたが,術後6ケ月で転倒により再骨折を生じた.骨折部の再転位およびscrewの折損を認め,再手術を行った.その他の症例では順調に骨癒合が得られた.感染例はなかった.
大腿骨(骨折)に対するMIPO法を用いての治療は,髄内釘の適応となりにくい,もしくは適応が絶対的ではない症例に有用な方法であると考えられた.