整形外科と災害外科
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当院整形外科術感染予防の経験
前田 鎮男上園 春仁福島 好人中村 悦子北 みどり原田 亜里沙中山 聡子
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2007 年 56 巻 1 号 p. 100-103

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抄録

当院は平成15年4月から17年7月までの整形外科手術810例中,術後感染が3例あり,感染率0.37%であり,感染予防法が有効であった.具体的には,次の方法で行った:(1)抗菌薬投与:術前 CEZ 又は CTM 1~2g,手術日のみ562例,翌日まで120例.日帰り小手術:術前 CEZ 1g,術後内服全くしない~3日間128例.(2)剃毛をしない.(3)術野の術直前の洗浄.(4)徐放性ヨードホールドレープの使用.(4)手術用手袋を2重にする.(5)術後ドレーン抜去,抜糸以外は原則的には創の消毒はしない.(6)アンプルやバイアル類の使用直前消毒.(7)摂子類,注射針の扱い方の注意.(8)開放骨折に対する抗菌薬の3日間2剤併用.術後フォロー期間は日帰り小手術7~14日,その他は平均263日であった.抗菌薬の投与期間に対して,1日群と2日群では差がなく,周術期の抗菌薬投与は1日で十分だと考えている.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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