整形外科と災害外科
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腰痛を訴える多発性骨髄腫患者の診断と整形外科との関わり
吉松 弘喜濱田 哲矢草場 信秀仲摩 憲次郎西田 俊晴中村 英智田中 憲治山下 寿吉田 健治後藤 琢也佐藤 公昭永田 見生
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2007 年 56 巻 2 号 p. 251-253

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抄録

過去7年間に新たに多発性骨髄腫と診断された19例について調査した.男性9例,女性10例,年齢は33~88歳であった.腰痛を有するものは12例,初発症状として腰痛を認めたものは9例であった.診断までに整形外科受診を行っていた症例は11例で,整形外科受診が診断の契機となった症例は4例にすぎなかった.診断の契機としては,15例が血液検査異常,特に血清蛋白の高値8例,貧血7例,蛋白分画異常7例であった.また,整形外科受診時の診断名は6例が脊椎圧迫骨折,3例が変形性脊椎症などであった.MRIを施行した15例中,多発性骨髄腫の所見を認めるものは7例であった.多発性骨髄腫の多くが腰痛を有し,初発症状として腰痛を認め,整形外科受診を行う可能性が高いことがわかった.頑固な腰痛・増強する腰痛や付随症状を有する腰痛に対しては血液検査,尿検査,MRIの精査が必要であると思われた.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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