整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
妊婦に発生したメチシリン感受性黄色ブドウ球菌による化膿性仙腸関節炎の1症例
川村 英樹山元 拓哉長友 淑美鶴 亜里沙石堂 康弘横内 雅博井尻 幸成小宮 節郎
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 56 巻 2 号 p. 277-281

詳細
抄録
25歳女性.妊娠34週突然左腰殿部痛出現.仙骨硬膜外ブロック施行されるも疼痛軽減せず当院産科に緊急搬送となる.入院時疼痛強く仰臥位不能,左仙腸関節部に圧痛を認めた.発熱,炎症所見(白血球数9400/μl,CRP 11.91)があり,骨盤部MRI上左仙腸関節周囲の信号変化,また血液培養,カテーテル尿培養よりメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を認め,尿路感染に伴う菌血症により発生した化膿性仙腸関節炎と診断し,セファゾリンによる抗菌化学療法を開始.症状改善し妊娠39週にて帝王切開により出産.母子ともに経過良好であり産後3週自宅退院となる.仙腸関節は菌血症性関節炎の好発部位の一つであり,妊娠にともなう子宮の増大等が誘因と考えられた.胎児への影響を考慮する必要があるため診断,治療に難渋するが,妊婦の腰殿部痛の原因として化膿性仙腸関節炎も鑑別する必要がある.
著者関連情報
© 2007 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top