整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
大後頭孔前方に発生した神経鞘腫の1例
樫原 稔
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 56 巻 3 号 p. 362-365

詳細
抄録

【はじめに】大後頭孔前方に発生した神経鞘腫の1例を経験したので報告する.【症例】70歳男性で右肩甲部から上腕にかけての強い疼痛,しびれ感と右上肢の筋力低下および軽度歩行障害を主訴に平成18年1月23日初診した.MRIで大頭孔から環椎にいたる脊髄右側前方にT1強調で低信号,T2強調で高信号を呈しGdで造影された腫瘍をみとめた.2月7日lateral approachで手術を施行した.右側の後頭顆,環椎後弓,軸椎椎弓を片側切除し硬膜を切開して腫瘍を摘出した.病理組織は神経鞘腫であった.頚髄症JOA scoreは術前7点が術後5ヵ月で13.5点に改善した.腫瘍の再発はない.【考察】本症例のように大後頭孔前方にある腫瘍に対してlateral approachは比較的広い視野で摘出でき有用であると思われた.

著者関連情報
© 2007 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top