整形外科と災害外科
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内側型変形性膝関節症に対する鏡視下半月板切除術の術後成績
野口 蒸治下山 議七郎篠崎 俊郎永田 見生
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2007 年 56 巻 3 号 p. 399-404

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抄録

変形性膝関節症に対する鏡視下半月板切除術は広く汎用されている.今回,当院で施行した症例の術後成績を検討したので報告する.対象は当院で手術を施行した25例で,年齢は平均67歳,男性8例,女性17例だった.X線分類は北大分類にてStage Iが7例,Stage IIが13例,Stage IIIが5例だった.罹病期間は平均11ヶ月,術後追跡期間は平均19ヶ月であった.上記の対象に対して,術前後の安静時痛,歩行時痛,階段昇降時痛についてはVASにて評価,いずれも1/3以下に改善,JOA scoreは術前平均62点から術後91点に改善した.術前後のレ線像の推移については,北大分類で1段階以上進行したものが7例(28%)に見られ,2例(8%)で追跡時に骨陥凹が見られた.術後経過において,臨床成績の良否に関わらず,関節症変化の進行が見られる症例が少なからず存在することから,長期にわたり慎重にfollowする必要があると思われた.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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