整形外科と災害外科
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整形外科的選択的痙性コントロール術における腱延長量の検討
(尖足について)
中寺 尚志木原 清
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2007 年 56 巻 4 号 p. 538-541

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抄録

【目的】整形外科的選択的痙性コントロール術(OSSCS)は脳原性障害児者の機能再建術として有効な手技であるが腱の延長量は術者の経験によるところが大きい.我々は私の考えた腱延長量の基準に従い手術を施行してきた.今回,麻痺性尖足の手術成績と延長量について考察したので報告する.【対象】脳原性障害児16例26足に対してOSSCSを施行した.痙性四肢麻痺1例,両麻痺9例,片麻痺6例,男児11例,女児5例,手術時年齢は平均10歳8ヵ月であり,経過観察期間は平均4年9ヵ月であった.【方法】(1)脳性麻痺下肢手術のための機能評価表からDKEとDKF (2)松尾の動的尖足度 (3)粗大運動能力尺度を使用し,この結果から延長量の適否とした.【結果と考察】術後成績はほぼ良好であったが尖足再発が3例3足にあった.病型,抗重力性,踵骨内反度,DKE,DKF,X-P等を参考にした私の基準による延長量は概ね適切であったが今後修正を加えていく必要性も認められた.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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