整形外科と災害外科
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脊髄空洞症を呈した頚椎症性脊髄症の1例
久保 勝裕河野 修芝 啓一郎
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2007 年 56 巻 4 号 p. 623-625

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抄録

頚椎症性脊髄症により脊髄空洞症を呈し,頚椎椎弓形成術により空洞の消失を認めた1例を経験したので報告する.症例は85歳,男性,両前腕痛,歩行障害,四肢しびれを主訴に来院,初診時痙性歩行を呈し,両上肢とTh8以下の知覚低下を認めた.MRI矢状断ではC4/5,C5/6での圧迫が高度で,C2からTh2レベルの髄内にT1強調画像にて低輝度,T2強調画像では高輝度の信号変化を認めた.脊髄造影後のCTでも圧迫が高度で,髄内造影効果を認めた.この症例に対し第3-7頚椎椎弓形成術を施行した.両前腕痛は軽快し,痙性歩行も改善.術後MRIでは空洞は消失した.頚椎症性脊髄症を原因とした脊髄空洞症の発生は稀であるが,脊髄空洞症の原因となりうると思われた.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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