整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
当院における鎖骨骨折に対する保存的治療の検討
喜久里 教昌普天間 朝拓山田 慎上原 健志
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 57 巻 3 号 p. 466-469

詳細
抄録

当院における鎖骨骨折に対する保存的治療の成績を検討した.平成16年1月から平成18年12月までに当院にて保存治療を行い,追跡可能であった92例を対象とした.88例に骨癒合が得られ,癒合率は95.7%と良好で,4例に偽関節を生じ,中1/3骨折で68例中2例,外1/3骨折で20例中2例に偽関節を認めた.20歳以上の中1/3骨折では,転位のある骨折と第3骨片のある骨折で,また外1/3骨折では,Neer type II骨折で遷延癒合や偽関節の割合が高くなっていた.鎖骨骨折に対し,保存的治療を基本としてもよいと思われるが,転位や第3骨片のある中1/3骨折,及び外1/3骨折Neer type IIでは,症例に応じて手術を検討してもよいと思われた.

著者関連情報
© 2008 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top