整形外科と災害外科
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両側骨頭下骨折を生じた両側大腿骨頭壊死症の一例
花田 麻須大萩原 博嗣久我 尚之寺本 全男田中 智顕中川 憲之河村 好香神宮司 誠也西田 顕二郎池村 聡
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2009 年 58 巻 1 号 p. 32-36

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抄録

【目的】特に誘因無く両側骨頭下骨折を生じた両側大腿骨頭壊死症例を経験したので報告する.【症例】59歳 男性.主訴は両大腿部痛.ステロイド使用歴なし.飲酒歴は,30歳から15年間,毎日日本酒3合程度.年間60日の潜水歴があった.1年前より特に誘因なく両股部痛が出現.半年後歩行不能となり近医受診し,両側大腿骨頭骨折と診断され,当科紹介となった.単純X線写真にて両側骨頭下骨折を認めた.右側には頚部に比較的大きな嚢胞像を認めた.CTでは右側は嚢胞との近位境界で骨頭骨折を生じていた.両側ともTHAが行われ,摘出骨頭の病理組骨診断でempty lacunaeがみられ,骨壊死の診断であった.【考察】広範な大腿骨頭壊死であった為に,荷重部の骨頭圧潰ではなく,骨頭下骨折を起こしたと考えられた.右側は頚部に形成された嚢胞も骨頭骨折に関わっている可能性があると思われた.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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