整形外科と災害外科
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腰椎疾患による下垂足に対する手術成績の検討
高森 義博有水 淳伊崎 輝昌小林 達樹市村 竜治松元 敬内藤 正俊
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2009 年 58 巻 2 号 p. 161-164

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抄録

腰椎疾患による下垂足症例の手術成績について検討したので報告する.対象は腰椎疾患による下垂足に対し当科で手術を施行し,術後3ヶ月以上経過観察可能であった15例とした.男性8例,女性7例,手術時平均年齢は56.5歳,下垂足出現から手術までの期間は平均34.8日,疾患は腰椎椎間板ヘルニア(LDH)8例,腰部脊柱管狭窄症(LCS)7例であった.予後因子として年齢,待機期間,術前筋力の程度,下肢痛の程度,糖尿病,馬尾症状合併の有無について検討した.LDH群8例中7例(87.5%),LCS群7例中2例(28.6%)で術後下垂足の改善を認めた.術後筋力回復に影響した因子は年齢,術前下肢痛の程度,馬尾症状,糖尿病合併の有無であった.術前筋力,待機期間には有意差はなかった.術前下肢痛が軽減した下垂足症例は,非可逆的麻痺であることを念頭におき,手術適応については慎重にするべきであると考えられる.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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