整形外科と災害外科
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Taylor Spatial Frameを用いた下腿骨折の治療
岡崎 成弘宮本 俊之梶山 史郎米倉 暁彦弦本 敏行進藤 裕幸
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2009 年 58 巻 4 号 p. 576-580

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抄録

Taylor Spatial Frame(以下TSF)はリング型の創外固定器で,Ilizarov創外固定器にありがちであった煩雑な組み立てや整復操作を比較的簡便に行えるシステムである.今回,我々は下腿骨折に対し,TSFを用いて骨接合術を施行したので報告する.対象は下腿骨折7例(閉鎖骨折3例,開放骨折4例)である.男性4例,女性3例で平均年齢は42.9歳であった.TSF設置時期,TSF装着期間,骨癒合の有無,合併症の有無について評価を行った.TSF装着時期は受傷後平均10.2日,TSF装着期間は平均98.9日であった.術後合併症として,ピン刺入部感染を4例認めたが,深部感染は認めなかった.足関節背屈制限を2例に認めた.骨癒合は全例で得られた.TSFは緊急時の対応から病棟での変形矯正も可能で,definitive fixatorとしての役割も担える汎用性が高い創外固定器である.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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