整形外科と災害外科
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脊椎内視鏡手術の導入初期における問題点の検討
土屋 邦喜坂本 央冨重 治川村 秀哉
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2010 年 59 巻 2 号 p. 268-270

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抄録
脊椎内視鏡手術(全例腰椎)を施行した初期30例を検討した.内訳は腰椎椎間板ヘルニア(LDH)9例,腰部脊柱管狭窄症(LCS)21例であった.顕微鏡手術への変更は計5例であった.LDHの1例,LCSの1例でオリエンテーション不良にて顕微鏡手術への変更を行った.LDHの一例,LCSの2例に神経根肩部の硬膜損傷が生じ顕微鏡下に縫合を行った.術後全例神経症状は改善し,神経合併症は認めなかった.1例に術後創部血腫を認め局所穿刺にて対処したがその他の術後合併症は認めなかった.脊椎内視鏡手術は基本的には小侵襲であるが使用できる器具や操作範囲の制限から特にLCSで初期には十分な除圧が困難な場合があった.初期に経験した問題点をふまえ脊椎内視鏡の適応,手術を困難にする要因,手技上の工夫等に関し検討する.
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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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