整形外科と災害外科
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後期高齢者(75歳以上)に対する鏡視下腱板修復術の治療成績
池田 倫太郎古川 敬三梶山 史郎崎村 俊之衛藤 正雄進藤 裕幸
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2010 年 59 巻 4 号 p. 708-712

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抄録

【はじめに】後期高齢者(75歳以上)の鏡視下腱板修復術の治療成績について検討した.【対象および方法】2004年12月から2008年7月までに腱板修復術を行い12カ月以上追跡調査が可能で術後6カ月以降にMRIを撮像し得た症例を対象とした.この期間の後期高齢者が9例で75歳未満の61例を対照群とした.検討項目は周術期の合併症の有無,日本整形外科学会肩関節治療成績判定基準(JOA score),術後6カ月以降のMRIを用いての再断裂の評価である.【結果】術中の合併症としてアンカーの脱転や固定性不良の点で両群に有意差を認めた.JOA scoreでは両群に有意差を認めなかった.MRI菅谷分類による再断裂の評価では両群に有意差を認めなかった.【考察】当科における後期高齢者に対するARCRは75歳未満と比し遜色ない治療成績が得られた.後期高齢者では吸収性アンカーの脱転,固定性不良の危険性が有意に高く慎重な手術手技やアンカーの選択が必要と考えられた.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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