整形外科と災害外科
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逆行性指動脈皮弁に対するchemical leechの経験
猿渡 知行
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2011 年 60 巻 1 号 p. 61-64

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抄録

【目的】逆行性指動脈皮弁は指尖部に比較的大きな皮膚欠損がある際に有用であるが特に動脈のみの皮弁とするRDAIF(reverse digital artery island flap)では鬱血をきたしやすい欠点がある.この静脈還流不全に対処するためにヘパリン局注によるchemical leechを行った.【方法】術後鬱血を来した7例7指に対しchemical leechを行った.ヘパリン0.1 ml(100単位)を皮弁に一日2回局注した.【結果】全例鬱血の改善を認め完全生着した.【結論】Chemical leechは医用ヒルを用いるいわゆるmedical leechに比べ容易に施行できる.またchemical leechを併用すれば,静脈環流不全をきたしやすいRDAIFもより安全に行えると考える.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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