整形外科と災害外科
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大腿骨転子部骨折治療の小工夫
田中 寿人小峯 光徳山之内 直也
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2011 年 60 巻 2 号 p. 202-204

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抄録

【目的】転子部骨折の骨接合術で問題となるのが,ラグスクリューのカットアウトである.ラグスクリューの位置不良がその発生要因として考えられており,至適位置としてBaumgaertnerらが提唱するTip-apex distance値(以下TAD値)を20mm以下にすることが重要とされている.【方法】リーミング終了後にガイドピンを削開孔に挿入し,イメージ透視下に削開端や周囲骨髄質を探索した.ガイドピンを削開端に当てることにより,1方向透視下でも3次元的位置確認ができた.これにより,安全に骨頭軟骨直下までラグスクリューを挿入可能で骨頭を強固に捕らえることができた.【結果】イメージ透視下リアルタイムで探索することにより,3次元的位置確認が可能となる.また周囲骨髄質の確認も可能となり,術後荷重許可時期の判断の一所見ともなる.骨頭軟骨直下まで安全確実に挿入することによりTAD値を押さえることができた.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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