整形外科と災害外科
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内視鏡下後方除圧術におけるソノペットの使用経験とその有用性
上田 幸輝吉兼 浩一西井 章裕角田 和信井口 貴裕牛島 正博
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2011 年 60 巻 2 号 p. 221-223

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抄録

内視鏡下後方除圧術は腰椎椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄症,頸椎症性神経根症などに対する手術療法として広く行われている.骨性除圧には彎曲したケリソン鉗子やハイスピードドリルなど,特殊に改良された器械が用いられる.黄色靭帯上での切除は安全な操作であるが,硬膜管あるいは神経根に接した骨性除圧にハイスピードドリルを用いる際には,神経を巻き込む危険性を伴う.今回我々は内視鏡下に超音波骨メス(ソノペット)を用いて安全な骨切除を行った症例を経験したので報告する.ソノペットの利点は,血管や神経など弾力性のある組織はその振動を吸収するため,破砕しないというところにある.ソノペット使用による重篤な副作用はこれまでのところ認められておらず,内視鏡下後方除圧術の骨性除圧におけるソノペット使用は有用であると思われた.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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