整形外科と災害外科
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骨粗鬆症性椎体骨折後偽関節に対する椎体形成術+後側方固定術の治療成績
井浦 国生齊藤 太一犀川 勲入江 努田中 哲也加藤 剛
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2011 年 60 巻 2 号 p. 303-307

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抄録

骨粗鬆症性椎体骨折後の偽関節に対する椎体形成術+後側方固定術の治療成績を検討した.症例は10例(男性2例,女性8例),手術時年齢は73.8歳,罹患椎体高位はT12が3例,T11,L2,L3がそれぞれ2例,L1が1例であった.椎体形成術にはハイドロキシアパタイトブロックを使用した.固定椎間数は平均3.5椎間で,術後経過観察期間は平均11.7ヶ月であった.最終経過観察時,麻痺(歩行能力)の改善は良好であったが,形成椎体高に前後壁ともに平均2.5 mm,矢状面での後弯Cobb角に平均5.3°の矯正損失を認めた.重篤な全身合併症は認められなかったが,5例に術後新規の椎体骨折を認めた.後弯矯正の理想角度に関しては明確な指標がないが,本法は本疾患に対して有効な方法であると考えられた.また,新規椎体骨折の発生も含めて,術後は既存の骨粗鬆症に対する厳重な薬物療法とX線学的経過観察が重要である.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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