2011 年 60 巻 3 号 p. 519-521
当院では大腿骨近位部骨折に対して可能な限り麻酔科協力の下,入院当日に手術を行っている.今回,入院後本骨折に対する24時間以内の手術の有用性について検討した.方法)2008年5月~2010年5月までに当院で大腿骨近位部骨折に対して手術を行った216例を対象とし,入院後24時間以内に手術を行った症例を早期手術群135例,24時間以降に手術を行った症例を待機手術群81例として年齢・骨折型・手術方法・抗血小板薬・抗凝固薬の内服の有無・術前全身状態・術後合併症・入院中死亡例・平均在院日数・転帰・退院時リハビリ能力について調査を行った.結果)術後合併症・入院中死亡例では有意差はなかったが,早期群で少ない傾向であった.在院日数でも有意差はなかったが,早期群で少ない傾向であった.結論)今回の研究では大腿骨近位部骨折に対する24時間以内の早期手術は有用であると考えられた.