整形外科と災害外科
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当院におけるTHA時のVTE対策と問題点
清田 克彦中根 惟武石井 孝子久保田 晃志高橋 知幹林田 洋一江頭 秀一高井 聖子高井 浩和
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2011 年 60 巻 3 号 p. 561-565

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抄録

対象は2008年4月から2010年4月まで当院にて施行した初回THA中,術後2日目,7日目に下肢静脈エコーを施行し術後6日目にD-ダイマーを施行した185例.男性38例,女性147例.平均年齢65.0歳.基本的にメドマーを術直後から開始し低分子ヘパリンを硬膜外チューブ抜去後から開始した.DVTを22例(11.9%)に認めたが症候性のPEは認めなかった.統計学的に術後6日目D-ダイマーのカットオフ値10μg/mlはDVT検出に有効であった.また術後7日目に初めてDVTを発症した5例はすべて術後6日目D-ダイマーが10μg/ml以上であった.当院における術後DVT発生率は11.9%であり他の研究と比較して遜色はなかった.今後も致死性のPEを防ぐため注意深く予防と検査を進めていく必要がある.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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