2011 年 60 巻 4 号 p. 747-749
踵骨裂離骨折は骨粗鬆症を有する高齢者に好発する骨折である.この骨折の壮・中年者での発症は比較的稀であり,今回我々は5例の治療を経験したので報告する.対象は2007年12月~2010年5月に手術を行った5例5足,性別は全例男性,受傷時年齢30~61歳(平均46歳)あった.皮膚切開は踵部後方内側縦切開,内固定材料は径6.5 mmの海綿骨螺子を使用し骨接合術を行った.後療法は3週間のギブス固定を行った後に,足関節の可動域訓練と荷重歩行を開始した.骨癒合は全例で得られ,足関節可動域に左右差を認めた症例はなく,治療中に創部の潰瘍形成や皮膚壊死などのスキントラブルを起こした症例もなかった.