整形外科と災害外科
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小児橈骨遠位1/3骨幹部骨折に対するplate固定の検討
村岡 邦秀尾上 英俊木村 一雄岩本 良太今村 尚裕三宅 智
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2012 年 61 巻 1 号 p. 71-75

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抄録

我々は小児橈骨遠位1/3骨幹部骨折治療中に遷延癒合や再骨折を経験することがしばしばあり,このような症例にplateによる骨接合術を行ってきた.今回plate固定を行った小児橈骨遠位1/3骨幹部骨折について報告する.対象は2009年1月~2010年6月までにplateによる手術を行った5例(男4,女1例)である.手術時平均年齢は11歳(9~14歳)で,経過観察期間は平均9ヵ月(2~21ヵ月)である.5例中2例はSmith typeの若木骨折であり,徒手整復後の保存加療中に徐々に転位が増強したためplate固定を行った.2例は完全骨折の症例であり,当初からplateによる骨接合術を計画した.手術は前腕前方アプローチで行い,AO smallまたはmini DCPを用いた.術後は2~5週間の外固定を行い,全例疼痛や手関節の可動域制限を残すことなく骨癒合した.10歳を超える小児橈骨遠位1/3骨幹部骨折において,完全骨折や保存療法中に再転位を起こした症例にはplate固定が望ましい.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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