整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
高齢者において進行する腰椎変性側弯症に対する脊椎後方再建術
石原 康平白澤 建蔵山下 彰久渡邊 哲也
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 61 巻 3 号 p. 362-365

詳細
抄録

【要旨】当院では腰椎変性側弯症(以下DLS)に対し,原則として根症状,馬尾症状などの症状を誘発する責任椎間の後方椎体間固定術で対応している.一方でDLSの中には頑固な腰痛を合併し,経年的に冠状面バランスが不良となる症例も含まれている.今回そのような症状に対し,脊椎後方再建術を施行した症例について報告する.平成15年から平成23年の8年間でDLSに対し当院で後方からの手術を行った60症例(男性11例,女性49例,手術時平均年齢74.7歳)のうち,4椎間以上の後方再建術を施行したのは3例で,どの症例も80歳台であった(手術時平均81.7歳).術前の立位Cobb角の平均は36.3度,平均固定椎間数は6椎間(4-9椎間)で,可及的にバランスを調整し,術後の立位Cobb角は17.3度であった.ADLに関してもJOAスコアにて68.5%の改善(平林法)を認め,症状の軽快をみとめた.

著者関連情報
© 2012 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top