整形外科と災害外科
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高度肥満により腰椎硬膜外脂肪腫症を発症した1例
上松 幸三郎渕上 徹郎津守 伸浩田中 信次森本 典夫
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2012 年 61 巻 3 号 p. 557-560

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抄録

我々は高度肥満が原因で腰椎硬膜外脂肪腫症を発症したと考えられる1例を経験したので報告する.症例は71歳女性,身長150cm体重91kg BMI 40.4 肥満4度 糖尿病以外の合併症はなくステロイド投与歴はなかった.2カ月前から腰痛,両下肢の痺れ,間欠性跛行をきたし当院初診.MRIにてL4/5椎間にて硬膜外脂肪の増生による著明な硬膜管の狭小化を認めた.脊髄造影でも同様の所見であったため硬膜外脂肪腫症と診断し脊椎除圧手術を施行した結果,術後症状は軽快した.脊椎硬膜外脂肪腫症は外因性ステロイド長期投与や肥満に伴い脊柱管内に増生した脂肪組織により硬膜管が圧迫されることにより発症するとされる比較的稀な疾患である.日本人は欧米に比べれば高度肥満者の割合が少ないため肥満のみが原因で神経症状を有する硬膜外脂肪腫症を発症するのは比較的稀である.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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