整形外科と災害外科
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大腿骨近位部骨折患者における生命予後と歩行能力についての検討
井上 三四郎井ノ口 崇菊池 直士宮崎 幸政阿久根 広宣
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2012 年 61 巻 4 号 p. 819-821

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抄録
大腿骨近位部骨折に対し入院治療を行った65歳以上の症例67例を調査した.頚部骨折38例,転子部骨折29例であった.保存治療を16例に,手術を51例に施行した.約1年の時点の調査で,57例/67例(85.0%)が生存していた.保存治療群で生存率が11例/16例(68.7%)であるのに対し,手術群で46例/51例(90.1%)であり,有意差を認めた.実用歩行を維持した割合は,33例/67例(49.2%)であった.保存治療群2例/16例(12.5%)であるのに対し,手術群31例/51例(60.7%)であり,有意差を認めた.患者選択にバイアスがあるため,この結果は必ずしも手術の優位性を示すものではない.しかしながら,手術を第一選択とし,次善の策として行なう保存治療の成績は不良であった.
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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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