整形外科と災害外科
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高分子ヒアルロン酸架橋体製剤(サイビスク®)の使用経験
井本 光次郎佐久間 克彦本多 一宏宮本 和彦岡田 二郎岡村 直樹岡野 博史細川 浩城下 卓也田村 諭史川野 啓成中島 伸一
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2013 年 62 巻 1 号 p. 131-134

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抄録

【背景・目的】変形性膝関節症治療薬として,高分子ヒアルロン酸架橋体製剤(サイビスク®)が発売され,本院でも使用を開始している.今回,中等度から比較的重症な例に対するサイビスク®の使用経験を報告する.【方法】サイビスク®投与症例の投与前後および投与終了後1ヶ月後の痛みのVAS値,水腫/腫脹の有無を解析した.【結果】47例62膝にサイビスク®を投与した.投与前後および投与終了後1ヶ月時点の評価が得られた26例35膝を解析した.VAS値は50.2±21.3から23.9±17.2に,水腫/腫脹を有する膝は16/15膝から3/3膝に減少した.8例10膝は半年以上経過後に再投与を行い,初回同様の有効性を認めた.62膝中2膝に関節炎の有害事象を認めた.【まとめ】中等度から比較的重症な患者に対して投与終了1ヶ月後でも疼痛緩和作用,水腫改善作用を認めた.サイビスク®は治療の新たな選択肢となる薬剤だと考える.

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© 2013 西日本整形・災害外科学会
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