整形外科と災害外科
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腫瘍用人工関節KLSシステムの再置換例の検討
富田 雅人宮田 倫明野崎 義宏尾﨑 誠
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2013 年 62 巻 1 号 p. 173-177

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抄録

KLSシステムの再置換例における予後不良因子を検討し報告する.【症例】KLSを用いた症例は8例あり,うち4例(セメントレス3例,セメント1例)に再置換術を行った.初診時平均年齢は21.8歳(14~39歳).原疾患は,骨肉腫2例,ユーイング肉腫1例,傍骨性骨肉腫1例であった.【結果】再置換の原因は,大腿骨ステム折損2例,大腿骨ステムの弛み2例であった.セメントレスの3例はサイドボルトの折損や弛みを伴っていた.大腿骨ステムの折損は,2例ともに直径11mmであった.大腿骨ステムの弛みの1例は,術中照射による処理骨の圧壊後のKLS置換例であり,他の1例は,膝関節屈曲が非常に良好な為ステムが回旋し弛みを生じたと考えられた.【考察】大腿骨セメントレスステムは,デザインの改良または直径12mm以上を使用する必要がある.大腿骨ステムの弛みを予防するためには,術後は膝関節屈曲角度を制限する必要があると考えた.

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© 2013 西日本整形・災害外科学会
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